世帯普及率9.5割以上といわれる電子レンジ。
ボタン一つで手軽に調理でき、時短にはかかせない家電です。
最近は電子レンジだけで作れる簡単レシピも豊富ですね!
普段何気なく使っている電子レンジですが、使い方を間違えるととても危険です。
故障の原因になるだけでなく、最悪の場合発火やケガをしてしまうことも…。
2021年、都内における電子レンジが原因の火災は65件に上ったと言われています。
安全に使用するためにも、正しい知識は不可欠です。
この記事では意外と知らない、『電子レンジでやってしまいがちなNG例』や『電子レンジで温めてはいけない食品や、容器、器』をご紹介します。
電子レンジで温めてはいけない食品類




卵は『生卵』『ゆでたまご』『目玉焼き』基本はすべてNGだという認識が安全策です。
※どうやら最近では卵の黄身に穴をあけたりアルミホイルを使ったりして、電子レンジでゆで卵を作るレシピも出ているようです。興味のある方はレシピを試してみてもいいかも?しれません。が…おすすめいしません。(私は怖いので…試す勇気がありません)
水分量が少ないニンジン、ジャガイモ、ゴボウ、さつまいもなどの根菜類は電子レンジNGです。
これらは加熱が進むと水分がなくなり、発火する恐れがあります。

粘度が高いカレーやシチューは
中心から温まる性質のある電子レンジでは危険が伴います。
外側が温まっていないのに内側が沸点に達し破裂してしまう『突沸』現象が起こります。
短めの時間加熱して、かき混ぜてから加熱を何度かに分けてするということで防ぐことができます。
また味噌汁なども注意が必要だといわれています。
これらは乾物と呼ばれるもので、電子レンジで温める条件である『水分を含んだ食べ物』に当てはまらないため異常加熱になり発火、発煙の恐れがあります。
油分を多く含んでいる食品は爆発的に発火するおそれがあります。
設定時間を長めにしたため起きてしまった肉まんによる火災も何件か報告されています。
鶏肉も薄皮が付いているので加熱しすぎると爆発することがあります。
電子レンジで加熱したい場合は皮にフォークなどで穴を何か所か開けておきましょう。

角煮などの厚みのあるお肉は、
温めすぎると表面は温まるが内側の水蒸気が逃げ場を失って爆発する恐れがあります。
トマトも実は電子レンジで加熱してはいけない食べ物です。
原理は卵と同じ。外側の膜の部分によって、内側の熱が逃げ場をなくし爆発します。
フォークや串などで穴を開ける、または切ってから加熱することで防げるものなので、忘れずに下処理しましょう!
また同じように薄い皮でおおわれているウィンナやータラコなどもそのまま電子レンジで加熱すると爆発します。
こちらも、卵と同じ原理。固い殻に覆われているので、加熱で発生した内部の蒸気によって爆発します。電子レンジから出した後で爆発することもあり、火傷やケガなどの危険があり大変危険です。
溶かしバターを作る際、電子レンジを利用する人は多いのではないでしょうか?
温めること自体は問題ありませんが、容器選びには注意が必要です。
溶かしバターや油は高温になりやすく、気付かないうちに容器の耐熱温度を超えてしまうことがあります。
特にプラスチック製の容器は、耐熱性のものでも底が溶けてしまうことがあるので使わないことをおすすめします。
バターや油を温める際は極力、耐熱性のガラス・陶器等を使用するようにしましょう。
電子レンジで肉まんを温めすぎた際の動画
引用元:東京消防庁チャンネル
電子レンジであたためてはいけない容器

ジップロック、タッパー等を活用している人も多いと思います。
作り置きや余りものの保存だけでなく、調理器具やお弁当箱として使ったり…。
食べたい時にそのままチンするだけでいいのでとっても便利です。
便利な保存容器ですが、思わぬ落とし穴があります。
もちろん、耐熱性のものであればそのまま温めて大丈夫です!
ですが蓋を閉めたまま温めてしまうと容器が変形してしまうことも。
またフタだけ熱に弱い場合もありますのでちゃんと確認した方が安心です。
筆者も以前失敗したことがあります。
レシピに蓋を閉めてチンすると記載があったのでその通りに作ったところ、蓋が変形して使い物にならなくなってしまいました…。
この他にも蓋を開ける際に、蒸気で火傷をしてしまう可能性があり大変危険です。
ジップロックやタッパーを温める際は、蓋は外してラップをするか、閉めずに温めるのがいいでしょう。
- プラスチック製の容器でレンジに対応しているものは
ポリプロピレン製『PP』と記載されています。 - ポリスチレン製『PS』と記載されているプラスチック容器はレンジであたためられません。
スーパーで購入したお肉などをこのまま冷凍庫に入れることありませんか?
解凍だから大丈夫と思ってトレイのまま食品を解凍することはNGです。
食品トレーの主原料であるポリエチレン樹脂の耐熱温度は60~80℃となっており
高温になった際、体に有害な物質が溶け出して体内に入り体内に入り込む恐れがあります!
考えたらこわすぎますね~
またラップは耐熱の非耐熱のものがあり、食品トレーに使用されているラップが耐熱性かどうかはよくわからないので、耐熱のお皿や容器に入れ替えて電子レンジを利用したほうが安全です!

テイクアウト容器は持ち帰ってすぐ食べることが前提とされているので
『レンジOK』と書いてあるもの以外は電子レンジにかけないほうが安全でしょう。
耐熱皿などに移し替えて、ふんわりとラップをして温めなおしましょう。
温めすぎには注意してください。
食卓にもう一品追加したとき、便利なのが缶詰食品です。
ツナ、焼き鳥、焼き魚、珍味やおつまみ etc…
バラエティ豊かで手軽に食べられる缶詰料理!
時短に最適な缶詰食品ですが、必ずお皿に移し替えてから温めましょう。
缶は言うまでもなく金属ですので、そのまま温めると発火の危険性があります。
小さくても、ほんの少しの時間でも、容器に移し替える手間だけは惜しまないでください!
レトルト食品や冷凍食品の容器や包装に、アルミ製の素材が使われている場合、そのままの加熱は絶対にしてはいけません。状況によってはわずか数秒で発火します。
電子レンジ加熱の可否は、商品の注意書きに書かれていることがほとんどです。
金属の加熱は特に危険が伴うため、必ず指示に従うようにしましょう。

温め専用のペットボトルは容器のまま電子レン
ジや湯煎、直火などであたためられません。
最近では電子レンジOKのペットボトルもありますが注意が必要です!

キャップを外して電子レンジOKの温められる専ペットボトルもありますが、注意書きをよく読んでください。
加熱は一度に1本、1回限りや自動温めはNGと記載されているものがあります。
電子レンジで温めてはいけない器
食品を乗せる食器類にも、温めNGのものがあります。

紙コップの加熱が危険な理由は主に内側にコーティングされている、ポリエチレンという素材です。
紙コップは液体が外へ漏れないよう、内側にポリエチレンがコーティングされています。
このポリエチレンは110度を超えると溶けだします。
紙コップはポリエチレンのコーティングによって強度を維持しています。コーティングが溶けてしまうことで、中身が漏れ出したり、コップ自体が破損するおそれがあります。
このように一般的な紙コップは基本電子レンジでの加熱は不可となっています。
中には電子レンジ使用ができる製品もありますが、使用の際は必ず注意書きの使用方法を守って使うようにしましょう。
紙製品は少しくらいなら電子レンジ大丈夫という情報もありますが、耐熱皿に入れてチンした方が安心です。
ステンレス、銅、鉄、銀、金、アルミ…etc
種類を問わず、金属であるものは全て加熱厳禁です。
加熱不可の製品、食品の中でも特に注意が必要な素材が金属です。
電子レンジは、食品に含まれる水分に、電磁波(マイクロ波)を当て、振動させることで加熱しています。食品と違ってシリコンや食器類が熱くならないのは、それらに水分が含まれていないからです。
そしてこの電磁波が作用するのは水分だけではないのです。
電子にも作用します。
金属の中には自由電子が多く存在しています。その電子に電磁波が作用することで、電子の運動が過剰になり空中に跳ね返るようになります。
この過剰になった電子の運動こそが、金属を加熱した際に起こる火花や放電の正体です。
火花や放電が起こった時点ですぐに止められればいいのですが、放電の速度が速すぎて気づいたときには発火・爆発していた、という事態もありえるのです。
ボウルや、スプーン、アルミホイル等はもちろん、金属の装飾や塗料が使われているお皿やマグカップなども、加熱しないようにしましょう。
ホーロー製品も全て、電子レンジでの加熱はできません。
これはホーローの構造が金属素材とガラスの層でできているという特徴のためです。
つまり、電子レンジ加熱加熱においてホーローは金属製品と同じ取り扱いになるということです。ホーロー製の鍋などは、レンジ加熱ではなく直火で行いましょう。

耐熱性と記載されているガラスはOKです。
ですが温度差には弱いと記載されているので注意が必要。
必ず『電子レンジOK』と記載されていることを確認して使ってください。
『強化ガラス』は熱に対して強くないので注意してください。

電子レンジでは『耐熱ガラス』+『電子レンジ用』と確認できたものだけを使用してください。
軽くて陶器やガラスとは違った風合いが素敵な木製の製品も、電子レンジ加熱はできません。こちらについては次の項目で詳しく紹介します。
木の器を電子レンジで加熱するとどうなる?
その1 割れる、変形する
その2 劣化が早まる
その3 燃える
その4 塗装が剥げる、ひび割れる
その5 樹脂やコーティング剤等、有害物質が溶け出す
木製食器も、基本的に電子レンジ加熱はすべてNGです。
これは、木製食器の中に含まれる水分のせいです。
電子レンジは水分に作用して加熱する仕組みです。
そのため木製食器を電子レンジで加熱すると、
・食べ物より器の方が熱くなる
・食器内部の蒸気より変形、破損する
・急激な温度変化に耐え切れず、破損する
といった事態が起こりうるのです。
この他にも、そもそもが電子レンジの使用を想定していないため、溶け出した際に人体に有害となるコーティング剤を使用している可能性もあります。
また、漆器も上記と同様の理由で電子レンジでの使用はできません。
とはいえ、木製の食器には他の素材では出せない趣があるのも事実。
最近では、本物の木製に見えるフェイクの食器もたくさん販売されています。
「普段使いで電子レンジで加熱したい…!でも木製の見た目がオシャレで好き!」
という方は、電子レンジ使用が可能な“木製風“を検討してみてはいかがでしょうか!
クッキングシートも注意が必要です。
電子レンジ使用OKとかいてありますが、
250℃を超える高温・20分を超える使用は禁止されています。

ジップロックは解凍する場合はジッパーの一部をあけて解凍してくださいと書いてあります。
加熱には使用不可。
解凍でもカレーやシチューなど油脂の多いものは耐熱温度を超える場合があり危険なので自然解凍や流水解凍が進められています。
耐熱温度は書いておらず耐冷温度表記マイナス70℃と記載されていました。
耐熱には弱いということですね
それぞれのメーカーによって違うと思いますので、ご使用になる取り扱い説明書をしっかり読んで使用してください。
『電子レンジで温めてはいけないもの』の動画・紹介
電子レンジのあれこれについてまとめている動画です。
最後の方には電子レンジ火災の対処法もご紹介しています。
人生で最初に作った動画なのでお見苦しい点が多々あると思いますが…汗
よろしければご覧ください。

まとめ
現代生活に欠かせない電子レンジですが、少しの間違いで火事などのおそれがある家電でもあります。
特に、加熱の可否は製品の注意書きに書いてあることがほとんどです。
温める前にまずは説明、注意書きを確認することで、大事故は回避できます。
毎日使うものだからこそ、思わぬ事故やケガを防ぎ、安全に使うことが何よりです!